― 資産価値を守るために今、知っておくべきこと ―
首都圏の中古マンション市場では、地域や立地による価格格差がこれまでになく明確になっています。
とくに都心3区(千代田区・港区・中央区)では、2018年前期を「1.0」とした場合の価格指数が、2024年後期には1.9倍を超える水準にまで上昇。
他のエリアを大きく引き離し、依然として強い上昇基調を維持しています。
(https://www.sumai1.com/useful/plus/market/plus_0288.html)
一方で、東京都下や神奈川・埼玉・千葉といった周辺エリアでは、2022年後期から2024年後期にかけての半年ごとの上昇率が1〜3%程度にとどまり、価格指数も1.3〜1.6倍前後にとどまる状況が見られます。
つまり、都心部では加速的な上昇が続く一方で、郊外や周辺地域では明確な「頭打ち」傾向が見られ、エリアごとの価格動向に大きな温度差が生まれているのです。
さらに、同じ地域内でも「最寄駅から徒歩5分以内」と「徒歩10分超」の物件では上昇率に大きな差があり、利便性の高い立地が資産価値を支えていることがはっきりしています。
つまり今の中古マンション市場は、「どこにあるか」「どんな条件か」で将来の価値が大きく変わる時代に入ったといえるでしょう。
この傾向は首都圏にとどまらず、地方都市にも少しずつ広がっています。
地方都市の不動産所有者にとって何を意味するのか
【全国化する価格格差】地方都市でも進む“立地格差”
首都圏で顕著になった“立地による格差拡大”は、地方都市でも同様の傾向を見せ始めています。
駅近や中心部、商業施設や病院が充実しているエリアのマンションは価格を維持しやすく、逆に郊外やアクセスの悪い地域では値上がりが鈍い、もしくは横ばい傾向にあります。
つまり、「どの街にあるか」だけでなく、「その街のどの場所にあるか」が価格を左右する時代になっているのです。
この流れは地方中心部のマンション市場にも波及しており、立地条件の違いが今後さらに明確に表れ始めています。
【立地条件の差が価格を決める】売却・募集時のポイント
地方のマンションでも、「駅徒歩10分超」「バス便エリア」「商業施設から遠い」といった条件の物件は価格が伸びにくくなっています。
一方で、徒歩圏内に駅やスーパー、病院、学校などがそろっている立地は、地方でも安定した需要を保っています。
売却を検討する際には、単に「築年数」や「間取り」だけでなく、「生活の利便性」や「将来の地域発展計画」など、周辺環境を含めた総合的な魅力を整理しておくことが大切です。
【長期ローンの落とし穴】ローンの組み方がリスクを左右する
50年ローンなどの超長期返済を利用する人が増えていますが、これは金利上昇時に返済残高が減りにくく、価格下落時には「ローン残高 > 物件価値」となるリスクを抱えやすくなります。
特に地方・郊外の物件では、将来的な値上がりが期待しにくいため、ローン期間や金利タイプの選び方が今後の安心を左右します。
購入や借り換えを検討する際は、返済計画と市場動向をあわせて慎重に判断することが重要です。
【地域格差の拡大】資産価値と売却タイミングへの影響
地方都市でも、「駅近」「再開発エリア」「人口流入が続く地域」では資産価値が維持されやすい傾向があります。
一方で、交通アクセスや生活利便が劣る地域では、将来的に価格下落や流動性(=売りやすさ)の低下が起こる可能性があります。
「今の価格がピークではないか」「数年後に売りにくくならないか」といった観点で、自分の物件を見直すことが大切です。
今後予想される流れと、所有者が取るべき行動
① 二極化のさらなる進行
交通インフラ整備や都市再開発の恩恵を受けるエリアは上昇を続ける一方、郊外や駅から遠いエリアでは価格が横ばい〜下落する可能性が高まっています。
地方都市でも、中心部と周辺部の格差が今後さらに拡大するでしょう。
② 購入者・投資家の目線が変化
購入者は「築年数」よりも「立地」「利便性」「災害リスク」を重視する傾向が強まっています。
売却時には、購入者が評価するポイントを的確に押さえ、物件の強みを整理して伝えることが重要です。
③ ローンリスク管理の重要性が増す
価格が高止まりするなか、超長期ローンの物件では資産性が下がると売却しても残債が残るリスクがあります。
地方では特に慎重な資金計画と市場分析が必要です。
④ 地方でも“好立地マンション”が選ばれる時代へ
人口減少が進む中で、交通アクセス・生活利便・防災性など条件を満たした物件は安定した需要を維持します。
一方で、利便性の低いエリアでは価格維持が難しくなる可能性があります。
⑤ 売却・保有判断の早期見直しが鍵
価格の二極化が進む中で、売却を検討するなら「保有を続ける理由」と「今売るメリット」を比較検討することが大切です。
リフォームやリノベーションで資産価値を維持する方法も有効です。
資産価値を守る第一歩は「現状を知ること」から
中古マンション市場の変化は、地方の不動産にも確実に影響しています。
まずは、自分の物件がどの程度の価格で売れる可能性があるのか、現在の市場水準を確認することが大切です。
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今の資産価値を客観的に把握し、将来の売却や資産運用の判断材料として活用してみてはいかがでしょうか。
※本記事は一般的な不動産市場の情報をもとに作成しています。実際の売却や資金計画を行う際は、不動産会社や金融機関などの専門家にご相談ください。
